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睡眠時無呼吸症候群(SAS)
症状
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気のことです。
深い睡眠がとれず、日中に強い眠気による居眠りがみられます。高血圧や糖尿病などの生活習慣病を悪化させる可能性があります。<閉塞性睡眠時無呼吸症候群>
いびき・無呼吸(いびき、眠っているときに息が止まる、ガッといびきが途切れる)
日中の眠気、中途覚醒(尿意による)、熟睡感の欠如、集中力の低下、インポテンツなど<中枢性睡眠時無呼吸症候群>
中枢性では呼吸運動自体が停止するため特徴的ないびきはみられない。
起床時の頭痛、日中の眠気など検査と主な治療法
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる方は、初診の際に以下の1、2の検査を行い、その状態によって医師が今後の治療方針を決めます。その際、詳細なデータを得て治療に活かすため、3、4の検査を行うことがあります。重症度によって治療法は異なりますが、経鼻的持続陽圧呼吸療法(鼻CPAP療法)や口腔内装置などが使われます。肥満がある場合は、減量指導・カウンセリングの他、場合に応じて睡眠歯科医との連携をはかるなど、さまざまな治療・指導をご提供します。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のチェックシートについてはこちらをご覧ください。検査・料金
- 1. 耳咽腔ファイバー撮影
- 約2,000円(保険適用3割負担)
- 2. CT撮影検査
- 約3,760円(保険適用3割負担)
- 3. パルスオキシメータ(ご自宅で血液中の酸素飽和濃度を記録する)検査
- 約330円(保険適用3割負担)
- 4. 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)
- 約16,120円(保険適用3割負担)
※検査料金には、初診料・再診料・地域加算・夜間加算などは含まれていません。
※各検査について、詳しくはこちらをご覧ください。 -
不眠症・概日リズム睡眠障害
症状
「寝付きが悪い」「途中で目覚める」などにより睡眠の質が低下する、不眠症。体内時計の調節異常が原因で、明け方まで寝付けなかったり睡眠時間がずれていったりするのが、概日リズム睡眠障害です。どちらも日中の倦怠感や集中力低下などの心身の不調が現れ、生活の質が低下します。
<不眠症>
1. 入眠できず寝付くのに2時間以上かかる入眠障害
2. 夜中に目が醒めやすく2回以上目が醒める中途覚醒
3. 朝起きたときにぐっすり眠った感じが得られない熟眠障害
4. 朝2時間以上早く目が醒めてしまう早朝覚醒
上記の不眠の訴えがしばしばみられ(週2回以上)、かつ少なくとも1ヶ月間の持続が認められると、不眠症と診断されます。一過性のものは不眠症とはいいません。<概日リズム睡眠障害>
別名、睡眠・覚醒リズム障害とも呼ばれます。
1. 夕方から強い眠気が生じ、深夜には覚醒してしまう望まない“早寝”の睡眠相前進型
2. 深夜にようやく寝付き、昼過ぎに覚醒する望まない“夜型”の睡眠相後退型
3. 体内時計が24時間周期に同調しなくなり、入眠・覚醒時刻も日々遅れるフリーラン型
睡眠時間帯が日中にずれこんでしまうと、強い眠気、集中力低下、倦怠感などに苦しみます。夜勤や交代勤務など、多様化する働き方によっても起こり得る障害です。検査と主な治療法
医師が問診票や診療情報提供書(紹介状)の内容をもとにお話を伺い、必要に応じて処方箋をお出しします(院内処方の場合もございます)。睡眠薬やサプリメントを使用する前に、ぜひ一度ご相談ください。
睡眠日誌記入用紙の記入、生活習慣の見直し、朝日を浴びて体内時計をリセットするなどの生活習慣指導を行うこともございます。 -
過眠症
症状
夜間に十分な睡眠をとっていても、日中に過剰な眠気または実際に眠り込むことが毎日のように繰り返してみられる状態をいいます。
<特発性過眠症・原発性過眠症>
日中の過剰な眠気や眠り込みが毎日繰り返し起き、最低1ヶ月持続すると診断されます。<ナルコレプシー>
日中反復する居眠りが毎日、何年も続き、試験中や商談中などでも強い眠気に襲われ寝落ちしてしまいます。大笑いしたり興奮したりすると突然力が抜けてしまう「情動脱力発作」がみられることもあります。検査と主な治療法
基本的には睡眠時無呼吸症候群(SAS)と同じく、初診の際は以下の1、2の検査を行い、その状態によって医師が今後の治療方針を決めます。さらに3、4の検査と、5の日中の眠気を測る「MSLT検査」を実施。検査結果に応じた適切な薬物療法と、夜間の十分な睡眠時間の確保と睡眠衛生を徹底させるための生活習慣指導が、治療する上で大切になります。
検査・料金
- 1. 耳咽腔ファイバー撮影
- 約2,000円(保険適用3割負担)
- 2. CT撮影検査
- 約3,760円(保険適用3割負担)
- 3. パルスオキシメータ(ご自宅で血液中の酸素飽和濃度を記録する)検査
- 約330円(保険適用3割負担)
- 4. 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)
- 5. MSLT(睡眠潜時反復検査)
- 4+5 両検査合計 約20,880円(保険適用3割負担)
※過眠症の場合は4と5の検査を合わせて実施いたします。
※検査料金には、初診料・再診料・地域加算・夜間加算などは含まれていません。
※各検査について、詳しくはこちらをご覧ください。 -
睡眠関連運動障害・睡眠時随伴症
症状
睡眠関連運動障害には入眠時に手足のむずむず感・かゆみ・痛みなどで入眠が阻害されるむずむず脚症候群と、夜間睡眠中に足のぴくつきが周期的に出現して睡眠の持続性を阻害する周期性四肢運動障害があります。また、睡眠時随伴症はレム睡眠行動障害ともいわれ、睡眠中の軽い寝ぼけ行動を起こす軽症型から、叫ぶ・殴るなどの激しい行動がみられる重症型までさまざまです。
<むずむず脚症候群>
入眠時に足やまれに腕に「むずむずする」「虫が這う感じ」などの不快感や痛みの異常感覚があり、入眠困難を特徴とします。中年期以降でよくみられます。<周期性四肢運動障害>
睡眠中に足首や親指、膝関節などの下肢にこむらがえりやけいれんなどの異常運動が周期的に繰り返し出現し、睡眠が妨げられます。高齢者での有病率は30%以上ともいわれていますが、本人は自覚していない場合が多いのも特徴です。<レム睡眠行動障害>
多くは、睡眠中に夢の中での行動をそのまま行ってしまい大きな寝言を言ったり、動き回る・興奮するなどの異常行動を起こしたりします。ときには家具にぶつかりケガをしたり、家族に暴力を振るったりすることもあるため注意が必要です。主な治療法
医師が問診票や診療情報提供書(紹介状)の内容をもとにお話を伺い、必要に応じて処方箋をお出しします(院内処方の場合もございます)。